シワになりにくい白衣の選び方とお手入れの方法

白衣は医療従事者が着る衣類として広く普及していますが、医療関係の仕事と言う性質上、清潔感のある見た目が重視されます。そのため、日頃のお手入れには十分に注意しなければいけません。汚れたりシワだらけの白衣では不潔に見えるばかりか、医療の仕事に対する信用も失墜する恐れがあります。

仕事を円滑に進めるためにも、白衣の選び方やお手入れの方法について学びましょう。

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白衣を着る場と用途について

白衣は医療関係者、特に医師が着用する衣類として世界的に普及しています。白衣を着ている人はお医者さん、というイメージが定着しているほどですが、医師は必ず白衣を着用しなければいけないといった決まりはありません。

白衣は名前の通り、白色の生地で作られている衣類です。白色は清潔なイメージを連想させる色として知られているため、衛生管理が重視される医療の現場では清潔に保っていることをアピールする目的で用いられています。

その一方で、白衣はわずかな汚れでも目立ってしまう他、丈が長く足に絡みつきやすい欠点もあります。そのため、現在の医療現場では実用的では無いという理由で白衣を身に着けない医師が増えているのも事実です。

白衣に用いられる生地の材質の特徴

白衣は他の衣類を着用した上で羽織る衣類です。そのため、他の衣類に求められる保温性や通気性はさほど重視されません。また、重ね着をする形になることから、体の動きを阻害しないように薄い生地が使われるのが普通です。

しかし、生地が薄いと耐久性が低下してしまう欠点が生じます。何日も繰り返して使用したり、頻繁に洗濯したりすると生地が傷んで破れてしまう恐れがあるので取り扱いには注意が必要です。また、シワができやすくなるのも薄い生地が持つ欠点のひとつなので、お手入れの際には十分に注意することが求められます。

白衣に使われる生地は綿が従来の常識でしたが、現在では洗濯してもすぐに乾くように化学繊維の生地が主流になっています。化学繊維製の白衣は速乾性があるので洗濯しても短時間で乾燥します。医療の現場では本人がいくら気を配っていても不意に白衣が汚れてしまうことは少なくありません。

そのような状況になった場合、洗ってもすぐに乾く生地が便利です。しかし、化学繊維は静電気が発生しやすい欠点もあるため、精密機器を使用する場での着用には不向きです。綿製の白衣であればそのような不具合はありませんが、その反面、水に濡れたら乾くのに時間がかかります。

これは綿の繊維に吸水性があるのが理由なので、洗濯をする際は乾燥するまでの時間を考慮するのが上手に扱うための心得となります。また、綿製の生地は繊維が変形しやすく、この性質がシワの形成に繋がります。逆に化学繊維の生地は繊維に強い反発性があるので変形しにくくなっています。

そのため、同じ厚さの生地でも綿はシワになりやすく、化学繊維はほとんどシワができません。

シワが生じた白衣のお手入れ方法について

白衣にシワができてしまうと見た目が非常に悪くなってしまいます。だらしなく不潔な印象を与えてしまい、医師としての仕事に支障が及ぶ可能性も否定できません。また、シワができたまま放置すると生地の繊維がその形状で固定されてしまい、アイロンをかけても完全にシワを消すことができなくなる可能性があります。

繊維の変形は著しい劣化を招き、生地の破れを引き起こす恐れもあるのでお手入れを疎かにしてはいけません。洗濯した後の白衣にシワが生じた際は速やかにアイロンをかけて、シワを綺麗に取り除くことを心がけましょう。

また、アイロンのかけ方についてもただ適当に行うのではなく、繊維の流れに沿って丁寧にシワを取り除くことを意識する必要があります。洗濯した際にシワができるのは生地が古くなって弾力性が低下しているのが大きな理由です。

綿製の白衣はシワができやすいのが特徴ですが、それでも新品なら繊維の弾力性が保たれているので外部からの刺激を受けてもシワはほとんど形成されません。しかし、何度も洗濯を繰り返すうちに繊維の弾力性は次第に低下します。

そのため、古くなるほどにシワができやすくなるのです。シワの発生を防ぐには専用の洗剤や柔軟剤を使うなど、洗濯の方法を工夫するのが効果的です。さらに、乾かす際は生地をよくのばした上で通気性が良い日陰に干すのが良い方法です。

強い日光を浴びるとその刺激によって繊維が縮んでしまい、シワの形成は避けられません。薄い生地ほどシワができやすいので、日陰干しは必須と言えます。

シワ予防の加工を施す際の注意点

白衣のシワ予防の方法として、クリーニング業者が行っているシワ取り加工が挙げられます。生地に特殊なコーティング加工を施すことによって、洗濯を行っても繊維が変形しにくくなります。その結果、綿製の生地でもシワがほとんど形成されず、綺麗な仕上がりにすることが可能です。

シワの無い綺麗な白衣は清潔感があり、見た目も美しいことから衛生管理が重視される医師が着るのに最も相応しい状態と言えます。シワが生じる心配が無くなることで躊躇せずに洗濯ができるようになるのも大きな利点です。

白衣は医療の現場で着用する物なので、常に清潔な状態に保つのは必須条件です。したがって、シワの形成を気にせずに洗濯ができるコーティング加工は白衣に不可欠な処置と言えるでしょう。

しかし、シワ予防のコーティング加工も決して万能ではありません。洗濯を繰り返すうちにコーティングの効果が少なくなり、遂にはシワができるようになります。そのため、シワ予防の効果を保つには定期的なコーティング加工が必要です。

コーティングができる生地の材質にも制限があり、綿などの天然素材は加工が容易ですが化学繊維は薬剤の成分が繊維を溶解させることがあるので適していません。特にレーヨンなどの再生繊維は化学繊維でありながらシワができやすい性質があるのでコーティング加工が必要に思えますが、生地を傷めるだけなので避けるのが無難です。

白衣の正しいお手入れは医師の必須スキル

白衣は医師であることを示す、一種の制服です。自身が清潔であり、医療現場の衛生管理も適切に行われていることをアピールする効果がある衣類なので、適切な方法によるお手入れは医師に必要なスキルと言えます。特に生地のシワは白衣のお手入れ方法が良くないことの証であるため、シワの取り方や予防の方法を正しく理解する必要があります。

自分が身に着ける衣類なのでお手入れも自分で行うのが白衣を良好な状態で長く使うための心得です。